製版
まず型を作ります。図案・色など前もって企画されたものから型を起こします。
- 図案に使った色数だけ一色ずつ1枚の透明フィルムに黒い墨で写し取ります。[写真A]
-
感光剤が塗られた紗(シャ)にネガを重ね、光で焼きつけます。
(黒で描かれた部分は感光しないで透明の部分は感光する。)[写真B] [写真C] - 型を水洗いして感光していない部分は水に洗い落とされ、感光した部分は紗にくっついて離れなくなります。[写真D]
- 樹脂を塗装し感光膜を強化します。
- 紙に試験印刷すると絵刷りが出来上がります。[写真E]
捺染
生地に一色ずつ色を乗せて柄を完成させます。本番の捺染の前に試験発色も行います。
- 繊維に適した染料、助剤、薬品、糊剤を使って指定された柄の色に合わせた色糊を作ります。糊を混ぜることによってねばりをだし、流れどめや着色効果、発色効果をもたらします。[写真A]
- 捺染台上に布を張ります。台にひいてある樹脂や、ろうの粘着力を利用して布を一時的に固定します。
- 布に型を乗せたスケージで色糊をこすりつけます。色数や柄によって型数が多いほど回数が増えます。[写真B]
- 捺染し終わったら、布を台からはがして乾燥させます。[写真B上部]
- 乾燥した布を枠に掛け蒸し箱に入れて1時間蒸します。蒸すことによって色、つや、コクが出て色が定着します。(この時点ではまだ糊がついたままです。)[写真C]
無地染め
無地の場合は染色方法が異なります。
- 染料を入れた釜にむらにならないように上げ棒で何回もかき回しながら染める昔ながらの方法です。指定した色に合わせるのが熟練の技ですね。染め上がったら乾燥させます。
水洗
布についている糊や余分な染料薬品を落とす工程です。
- 薬品を使って水洗し堅牢度を高めます。水洗いした後、乾燥させ生地のしわを伸ばしたり幅を出して正規の寸法にしてたたみます。全て機械で行います。
縫製
生地を裁断して縁巻を行います。
- 電気ゴテでそれぞれの商品のサイズに裁断します。(レーザー光線の裁断機もあります。)[写真A]
- ミシンにラッパ管という部品をつけて生地の端を巻き込みます。このとき品質表示ネームをはさんで縫います。スカーフの四隅にあたる部分は返し縫など特に技術が要ります。[写真B]
- 湯のし釜(スチームアイロンのようなもの)で縫い目を伸ばします。これで完成です。[写真C ]
このようにスカーフはいろいろな人の手を経て作られています。
大量生産とは違うぬくもりのある一枚をあなたのコレクションに加えてみてはいかがでしょうか。
協力:(株)丸加 三高捺染(株) (有)宮本染色水洗工場 (有)村松染工所 (有)徳竹